先日、
プロ野球選手のイチローが、
日米通算安打記録を更新し、
その会見の模様をニュースで見た。
野球界で数々の偉業を成し遂げ続ける彼は、
成し遂げることが、当たり前かのように
私たちを錯覚させてしまっている。
このニュースにしても当初、
プロ野球に詳しくない私は、
『またイチローが記録を作ったのだな。』
程度にしか思わなかった。(失敬。。)
そんな感じで会見を見ていたところ、
見たこともない陰影のある表情で話している
イチローが居て、
思わず見入ってしまった。
そして、二年半ほど前に放映された
ドキュメンタリー番組で、
彼が語っていたことを思い出した。
40歳を迎えた彼に、
年齢についてインタビュアーが質問をした。
40歳代でプロの野球選手は日本でもあまり
多くない。やはりどう見ても若い方が有利で、
加齢に伴う体力の低下は否めない。
そうした、加齢に伴うネガティブな状況を
どうとらえるのかという内容の質問だったと思う。
今思えば、少し意地悪な質問だ。
その質問に対し、
イチローは、淡々と、
『齢を取ることも、
変化の一つとして捉えています。
自分は、その変化に対応していくだけです。』
という内容で答えていた。
老いの恐れを微塵も感じさせない
このイチローの発言が、
なぜか、私の記憶に残っていた。
今を見つめ、
自分を客観し、
変化に対応する。
大東流の稽古の姿勢と、
相通じるものがあるな。。
今回のニュースを通し思い出してみて、
なぜ、あの時のイチローの発言が記憶に
残ったのかが、わかった気がした。