先日、
スーパーのレジ待ちをしていたところ、
前に小学生の男の子ふたりが
アイスキャンディを持って、
同じように並んでいた。
しかし、大人のように静かではなく、
ふたりで元気な声で話していて、
どうも選びに選んだアイスのようだった。
それを今から食べられるうれしさが
溢れでていて、じっとしていられない。
小刻みに動くさまは、生き生きとしていて、
微笑ましかった。
ところが、
いざレジで精算しようとしたら、
「1円」足りない!
そのうれしさが、一気に引いていくのが、
私にもわかった。
頭が真っ白になってしまったように
ふたりともボカンとしていた。
レジ係の女性も、気の毒そうにするものの、
どうしようもない感じだ。
傍目にも残念なので、
「 私が出しますよ。」
と申し出たところ、
正気に戻った男の子たちは、
健気に軌道修正して、
すぐにレジをキャンセルして、
食べようとしていたアイスを
戻しに売り場に去っていった。
それにしても、当たり前だけれど、
日本のレジは1円たりとも融通が
利かせられないシステムだ。
普段は、これでいいと思うのだが、
場合によっては、
それを運用する大人の適宜な判断で、
少しぐらいは調整できれば、
もっと人間的なシステムになる
だろうに、と感じた。
たかだか1円で、こどもとはいえ
お客様をあんな残念な気持ちに
させてはいけない。
そして、
私が若い頃、海外に住んでいた時
のことを思い出した。
夏の日差しが強いところだったので、
デパートにサングラスを買いに行った。
お店でいくつか耳にかけてみて、
試しながら、デザインと予算の両方
に合うものを選ぼうとしていたところ、
わずかに現金が足りなかった。
どうしようかと考えていたら、
店員が状況を察知して、
こっそり顔を近づけてきて、
小声で、
「予算はいくらなの?」
と聞いてきた。
答えると、
それぐらいだったら
まけてあげるわよと
にっこり笑った。
私もこの展開は、
予想していなかったので、
この店員の粋な計らいに
とても救われたのだった。
そして、そのあとも長く
そのサングラスを
大切に使った。
そんなことを、思い出した。。