久し振りに百貨店に設置されている
一階から三階までの長いエスカレータ
を利用した。
もちろん、手すりにつかまることなく、
普通のエスカレータを利用するときと
同じように。。
実を言うと、入門する前の私は、
この長いエスカレータが苦手であった。
当時ヒールのある靴を履いていたせい
もあるのだが、エスカレータの半分
(ちょうど二階のところ)辺りで
エスカレータから落ちてしまいそうな
不安を感じていたからだった。
しかも、最初から手すりにつかまって
いたにもかかわらず。。
そして、『危ないな…』と思いながら
周りを見渡すのだが、皆リラックスした
表情で、私のように危険を感じている人
はいなさそうであった。
それでも、まだ足腰しっかりしている
はずの私ですら落下しそうになるのに、
ご年配の方々だと利用できないサービス
なのでは?
とか、
そもそも、階下から見上げるとかなりの
勾配もあるし、危ないですよ。
などと、店の方に言うわけではないが、
こっそり余計なお世話を焼いていた。
今思えば、当時身体バランスが崩れて、
長いエスカレータに乗っている時間すら
バランスを保つことができなくて、
危険を感じていたのだろう。
そんな私も、いつの間にか
今では危険を感じることなく、普通に
利用できている。
日常生活のこうした何気ないところにも
稽古を通しての成果が現れ、生活の質
が少しずつ上がるのだ。