top of page

たった一人の

久し振りに会った同志と話をしていたところ、

たまたま、今年亡くなられた小野田寛郎氏について

の話になった。、

そして、

彼の著作のひとつを薦められたので読んでみた。

氏は、第二次大戦中にフィリピンのルバング島で軍の任務に就き、

翌年に終戦を迎えるも、その事実を認識することなく、

その後、29年間島で最後はひとりで戦争を続け生存し、

戦後復興した日本に戻ってきた方である。

氏も著作の中で憤慨しながら、

… 「やせ衰え、穴の中で隠れて暮らしている

                  気の毒な元日本兵」

  としか、とらえられていなかったような気がする。 …

と書いている。

多くの日本人が氏をこのようにイメージしたとおり、

私もそう思っていた。

しかし、本を読むと、

マスコミ報道で出来上がったこのようなイメージとは違っていた。

いつ敵国が襲撃してくるかもしれないという精神状態、

加えて、フィリピンの高温多湿の山の中という苛酷な状況がありながらも、

実に繊細に生き生きとした生活が描かれていた。

苛酷な状況とは、

(こう書くことは、尊大かもしれないけれど…)

別の言い方をすれば、

『余計なものがない』

ということなのかもしれない。

そんな状況で、自分の生に対して真っ直ぐ素直に生きている氏は、

実に生に溢れていた。

また、本に掲載されている投降直後のいくつかの写真にも

それが見てとれ、とても感動し涙がでてきた。

東日本大震災以降、

日本人の意識は変わったといわれるが、

それでも、まだおしなべて平和な日本には、

まだまだ、

余計なものがありすぎて、

生を実感しにくいのかもしれない。

と、感じた。

最新記事

すべて表示

TV番組に

久しぶりの投稿です。 突然ですが、 明日夜19:00から TV朝日番組 出川一茂ホランフシギの会に、 古賀武光師範が出演されます。 気で人を投げる達人として 紹介されるようです。 大東流合気柔術光道で稽古し、 古賀師範の技を間近に 見ている門下生であれば、...

草刈り

今朝はいつもと違う 少しひんやりした空気でした。 まだまだ暑さも続きそうですが、 確実に自然は秋へ 向かいつつあるなぁと感じます。 自然が一歩先に秋に入りつつあるなか、 遅れて人間社会の夏があるようです。 そういう意味では、田舎に住んでいると...

みること

春が一気にすすんで 菜の花が開花しているのを 見て楽しむだけでなく、 今年は摘んで炒め、 食したりしています。 さて、 大東流の稽古では、 「みる」ことが 大事ですが、 これがやってみると 実は、 「みているつもり」 の場合がほとんどです。 これを実感し、 自身の人生を...

bottom of page